Stairs to the world

42歳のMiddle ageの女性の旅行記。日本に戻ってます。

Washington,DC ワシントン3日目-1 ホロコースト記念館

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連日のスミソニアン観光が3日目も続きます。

今日はホロコースト記念館に行ってきたレビューです。見学のポイントなんかは最後にまとめますね。


ホロコーストとは第二次世界大戦時にドイツのナチスが行った、ユダヤ人の絶滅作戦のこと。このホロコースト記念館は、その悲劇を風化させず後世に残すという目的も含めて設立されました。


スミソニアン博物群の1施設ですが、いわゆる普通の博物館や美術館とは雰囲気が違います。ナチスの思想教育や宣伝の仕方に興味があって、ここを訪問地として選択しました。決してナチス信奉者ではありませんから。人間がここまで残虐なことをしてしまうという心理や、国民を扇動して誤った方向に突っ走らせた国家やその政治や政治家に興味があるのです。

 

宿からStreet carとサーキュレーターの赤ラインで乗り継いで到着。

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10時開館なので20分ぐらい前を心がけて早めに出たのですが、すでに長蛇の列です。エレベーターで4階まで上がり、徐々に降りてきながら見学していきます。

最初はかなりの混雑ぶりで、ゆーっくりゆーっくり列が進みます。
途中から少しずつ列が早くなって、最後はスタスタ歩きになります。

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ナチストップクラスの集合写真。きっと、このエリート達の中でも、熾烈なライバル争いがあったのでしょう。ゲッペルスゲーリングが大嫌いだったみたいですから。

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SSの巡回。

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もうね、犬が怖すぎ。こんなのに噛まれたらまちがいなく致命傷です。

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子供達への思想教育も大事な政策です。北朝鮮と同じだな。

 

ナチスは徹底的な人種差別主義を採ってました。

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この写真は劣等人種の一覧表。矢印は日本人です。
日独伊三国同盟を結んでいたのに、実際の扱いとはこんなものです。

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そしてこちらは優等人種の写真。

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人種の見分け方は、アナログで髪の毛の色、瞳の色で見分けていたみたい。
現代ならDNA検査でしょう。瞳の色と髪の毛の色で人種を選別できるのですね。当時の医学や生理学も進歩していたみたいですね。

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これは有名なヒトラーの自画像。マッシュルームカットにちょび髭で、普通の人なら喜劇俳優にしか見えないけど、凄みがありますね。

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大量殺人の後は穴を掘って埋めるわけですが、この木片はそのお墓の目印。

人種の選別だけではなく病人、障害者、同性愛者、エホバの証人、ジプシーなど自分達にとって、価値の無いと考えた集団は徹底的に社会から排除されました。

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このベッドは小児病院のベッドで、ここに寝ていた子供達は、すべて殺されたそう。

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ポーランドワルシャワのゲットーの壁。

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これはクラクフシナゴーグのステンドグラス。

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そして貨物列車。うーん、どんどん暗くなってきた。

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有名な働けば自由になる。アウシュビッツ強制収用所にも飾られていましたが、この有名な看板は盗難にあって、今収容所にあるものはレプリカだそう。
何の目的で、こんなものを盗んだんでしょうか?

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これはガス室の模型。アウシュビッツにも同じものがありました。

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大量の靴。迫力があります。

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そして、焼却炉の台。初期の頃のものでしょう。途中から、こんな焼却炉では追いつかなくなりますから。

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これは当時の人間の心理を図で示したもの、被害者側のユダヤ人、加害者側のナチス、傍観者の大勢の人たち。

当時の国民の多くは、このホロコーストというかユダヤ人の排斥運動には無関心だったそうです。(アウシュビッツのガイドさんの見解)
というのもユダヤ人は収用所に入れられると番号で呼ばれて、個人の名前が剥奪されます。1234番的な数字に置き換えることで、一個人としてでは無く『物扱い』なのです。
そして『物』が何百、何千、何万も集まっても、所詮は『物』でしかありません。
人間に対する差別ではなく、言葉が悪いですが、ゴミを社会から排除していたという考えだったのです。

これも、ナチスの戦略の一つです。こういった思想や世論を(悪い意味で)うまく調節していたのです。柄にも無く熱く語ってしまいました。

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そういった無関心の国民だけではありません、ユダヤ人を匿ったり助けたりした人たちもいます。当時、ユダヤ人を匿うのは相当危険な事だったでしょう。

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最後は、なぜかカンボジアの展示。クメールルージュの大量虐殺の展示がされていました。すっかりずんやりした気分で見学を終えました。

 

ホロコースト記念館の見学のポイント~
サーキュレーターの赤ラインでアクセス可能。
・10時開館だけど、20分前には行列。
・平日に訪問しましたが、土日はもっと混雑するらしい。
・Webで入館の予約(要1ドルの予約料)ができますが、紙媒体でのチケットが必要らしい。
・朝一番でいけば、予約無くても入れます。(平日の話)
・グループでの入場は建物の西側から、個人の見学者は建物の東側に並びます。
・手荷物検査、X線検査の他に、空港レベルの液体のチェックあり。
・ペットボトルの水は、少量飲んで化学薬品ではない事を証明。シンプル。
・衝撃映像が多いです。


今日も最後までご覧いただきありがとうございました。
ただいまのBGM 『Stand Up Comedy』 U2